おおばの沿革
企業化した現在の帯地製造元では取り組めなくなった素材から吟味しての織物製作、リスクを畏れない斬新な意匠考案など、全ての行程に目が行き届く贅沢な帯作りをめざして新しい織屋をつくりました。それが「おおば」です。かつての織屋は家族で職住一体となった個人経営がほとんどで、その結果、製作者個人の嗜好が色濃く出た織物が多く発表されてきました。お陰で西陣が多彩な織物産地としての名前をとどろかすことになった訳です。しかし、今では西陣では生産されている織物は特長のない似たものばかりとなってしまいました。その時代をもう一度甦らせようと、大庭本家である大庭圭价と左由夫が、大庭の帯の特色を更に深化させて、新しい織物作りをしています。
先代から引き継いて以来30年にわたり、社長業と制作の一切を担ってきた圭价とその補佐を続けた長男・左由夫が、製造元へ求められる倫理やモラルの高まりから㈱白綾苑大庭を離れ、嘘いつわりのない織物制作を目指し立ち上げたのが当店おおばです。
弊店は現在、株式会社白綾苑大庭とは一切関係ありません。
大庭圭价 略歴
- 昭和42年
- 大庭清三郎より大庭機業店を承継。
- 昭和43年
- 当時京都随一と呼ばれた図案家・若松華瑶と共同制作、振袖用高級袋帯を手掛け、その市場を同業数社で寡占。
- 昭和47年
- (株)白綾苑大庭を設立。代表取締役社長に就任。
平成19年退職まで、大庭の帯の制作を指揮、(株)白綾苑大庭を高級帯地織屋に育て上げる。
- 帯地に使用されることがなかった壁糸を初めて使用した袋帯(つづら錦)を発表。大ヒット商品となり今までロングセラーとして売れ続けている。
- 平成2年
- 皇室はじめ内外の有名人のご愛用を受け、平成2年には即位礼正殿の儀(即位の礼)に用いられる「萬歳旛(ばんざいばん)」の制作を賜る。
- 平成12年
- 代表取締役会長に就任
- 西陣織工業組合副部会長職、西陣手織協会などの理事職を歴任。
- 西陣織の振興、広報活動などに注力、西陣夢まつりなどのイベントを企画、立案。
大庭左由夫 略歴
- 平成8年
- 同志社大学卒業後、米国ボストン大学に留学。その後、(株)白綾苑大庭に入社。
- 平成13年
- 京都市伝統工芸育英資金受給者に認定。
- 平成20年
- 圭价と共におおば設立。
- 平成22年
- 京都市の東京ガールズコレクション出展事業の公募入選。西陣帯地製造業者として出展8事業者の中で唯一選ばれる。
- 平成24年
- 京都伝統産業青年会展にて京都府知事賞 受賞
- 平成27年
- 西陣織大会にて京都市長賞 受賞
- 令和2年
- 大庭創業の地に新社屋・ギャラリー増設
- 西陣織大会にて京都市長賞 受賞